今日は我が家が初めて検討しているマイカー候補、ヒョンデ「インスター」を中心に、EV/PHEVの比較ポイントから実際の試乗レビューまでをまとめました。EV選びをされる方、家族のお出かけ手段としてミニマムな一台を探す方の参考になれば幸いです。
車選びの背景
初めて購入する車として、EVまたはPHEVの購入を考えています。背景は以下のようなもの。
- マイカーは嗜好品:都内在住で普段は不要。しかし、子連れのお出かけが格段に楽で行ける範囲が広がる。
- 太陽光発電付の戸建てを建てたことで、駐車スペースと充電にかかるランニング費が無償。
- 車の所有自体が嗜好品なので、そこまでコストは掛けられない。でもEV車両/V2H機器いずれも助成金が出るので、比較的安価に購入できる。
車選びは、駐車場付きの家を建てることを考え始めてから、かれこれ1年くらい考えてきましたが、インスターが出たことで選択肢がガラッと変わったなと感じます。
最初にPHEVを考えていた理由
充電インフラへの不安
EVはお出かけ計画が充電スポットに制約されるので、PHEVの方がつぶしが効くかなと思っていました。PHEVならガソリン足せば補給が終わるので。
ただ調べると、最近は大抵のお出かけスポットには充電インフラが設置されています。
価格帯
またEVは相対的に値段が高い。安価なものは日産サクラか三菱ekXで、いずれも航続距離が200km弱。実際の利用シーンを考えると、隣県に住む実家への往復が一充電では危ぶまれたので、選択肢から外していました。
PHEVも高いのは高いですが、三菱のエクリプスクロス、トヨタ・プリウスGグレードあたりであれば助成金考慮すると300万円台に乗ってくるので、かなりニッチですがこのあたりを検討していました。
PHEVのデメリットは、システムの冗長性。エンジン&ガソリンタンクとモーター&バッテリーは、走行中は基本的にどちらかがただの重しになっているということ。これは認識した上で、EVとガソリン車の良いとこ取りの宿命、と捉えていました。
低価格EVの台頭
そこに直近、BYDドルフィンを筆頭に、低価格で300km以上走れるEVが出てきたことで、低価格EVの実用性が基準を超えてきたのでは、と考えが変わってきました。
EV/PHEV比較を含め、EV系の記事は東京電力の記事によくまとまっています。以下の記事は、一充電で長距離を走る機会がはたして日常の中でどれだけあるか、という現実的な目線での比較でした。
EVとPHEV、どっちを選ぶ?あなたの乗り方に最適な車をプロが伝授 - EV DAYS | 東京電力エナジーパートナー
V2H利用目線でのEVの魅力
またV2H利用を考えている我が家にとって、EVのバッテリー容量の大きさも魅力です。例としてプリウスPHEVのバッテリー容量は13.6kWhなのに対し、インスターのそれは最廉価グレードで42kWh、3倍程度の差があります。
家の外に40kWh強のバッテリーがあれば、有事の際でも数日分の電力が賄えるのではないかと思います。実際、家庭用蓄電池単体を設置するコストを考えると、10kWh強でも大容量の部類になり、機器購入&設置で100万円を超える金額感かと。
それに対し300万円台で40kWh強のバッテリーが付き、かつ移動もできる、と捉えるとお得感を感じるのではないかと。
ヒョンデ インスター試乗レビュー
ヒョンデ「インスター」は日本では2025年4月に発売されたばかりの4人乗りの小型EVです。EVイベントでたまたま出会い、家にパンフレットを置いておいたところ、妻が「これ、可愛くていいね」と。パンフがマーケティング的に力を持つことを実感した瞬間でした。
試乗してみてわかったのは以下のこと。
家族目線
- サイズの割に室内空間が広い。後席リクライニングあるのも居住性◎
- 積載容量がやや不安だが、数泊分の荷物は積めそう。ギア持ってキャンプ行くとかだと難しいと思われるが、いざとなったら標準装備のルーフレール使ってみる。
- 見た目が可愛い。ただ色の選択肢が微妙。バターイエローは実際見るとベージュではなく黄色っぽい。もう少しオーソドックスなアイボリーとかほしい。
- ヒョンデの特徴として、クレカ払い可能なのは非常にでかい。クレカステータス維持のために一回で300万円の決済できるのもでかいし、ポイント還元率が1%で3万円、3%だと9万円返ってくる。
運転者目線
- ワンペダルに慣れたら快適。ワンペダルだとブレーキはすべて回生ブレーキとのことで、ブレーキパッドの摩耗がない。メンテ性にも優れる。
- 運転席と助手席がウォークスルーなので、駐車場の幅に制約があっても助手席から乗降できる。
- 安全機能揃っていて安心。ウインカー出すとメーターにリアビュー出る機能は、良い取り組みだと思うが目線移動考えると実用性はまだわからん。
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エアコン周りに物理ボタン多いのは僕は高評価
これまで検討した他モデル
色々考えてきた経歴も残しておきます。
[PHEV] 三菱 エクリプスクロス
1年前に車買うならこれ買ってました。調べた限りメーカー問わずPHEVの最廉価車種No.2(ちなみに1位はプリウスPHEV Gグレード)。とはいえ定価で500万円弱なのは僕からしたら高級車の部類に入る。Pグレードにはヘッドアップディスプレイついてるのも良かった。アウトランダーは大きさと予算的にアウトだったんだー。
見た目カッコいいし走りも良いし大きさもそこそこでとても良い車なんだけど、2019年からメジャーアップデートがないとのことで、今買うには陳腐化する感じがするかもなと思いました。
[PHEV] マツダ MX-30 R-EV
これは我々がDINKSなら乗りたかった。マツダは好きでロータリーEVは知ってたけど、それがPHEVである認識がしばらくなかった。値段に手が届きうる数少ないPHEV候補ということで、直近、試乗にも行ってきました。
観音開きドアは噂通り曲者で、やはりファミリーカーとしての使い勝手には限界があるよね、という結論に。後席の窓も小さいので閉塞感あるとのこと。外観は好きなんだけどね…。
[EV] BYD ドルフィン
インスターに先行して、小型で実用的な価格と航続距離を打ち出したのがBYDドルフィン。ただヘッドライトが前面中央にきゅっと寄っているような見た目がかっこいいと思えなかった。
[EV] トヨタ bZ4x / スバル ソルテラ / Volvo EX30 / VW ID.4
どれも良いんだけど予算オーバー。EVのSUVって見た目似てくるのなんで?
[今後出てきそうなEV] スズキ eビターラ
スズキが出すEVということで価格競争力ありそうなので気になる。ただ個人的には見た目にそんなに惹かれない。
2025年後半に出るとも言われる日産の新型リーフも気になる。けど今のリーフは車両規模の割に高いと感じる(アリアは論外)なのでやはり価格がどうかというところ。
まとめ
ヒョンデ インスターは以下の点で我が家のニーズに合致しました。
- 小型で取り回しが良い
- 低価格と実用的な航続距離を兼ね備える
- V2H活用にも十分なバッテリー容量
- カッコ可愛いデザインが良い
ヒョンデはBYDと共に、日本市場における実用的な小型EVの風穴を開けてくれたと思います。車両購入のために助成を受けると、車両を最低4年間保有する義務を負うのですが、4年後の2029年にはさらにEVの選択肢が広がっているだろうことを期待させてくれます。