おとうのオートノミー

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郊外移住も魅力的だけど、やっぱり都会に住むのは良いよね

移住

その甘美な響き。

コロナ禍で一気に現実的な選択肢として浮上してきた感もある。

我が家は比較的都心の持ち家住み。だけど子供ができて自然に触れさせながら子育てをしたいと考えたことや、夫婦ともに思い入れのある田舎があることもあり、地方移住はずっと引っかかっていた。そこで実際移住候補地に行ったりして、どうするか見極めてみた。

郊外暮らしは生活が豊かになるけれど…

地方というか郊外への移住のメリデメをまとめた記事としては、こちらのNoteが逸品だ(以下「鎌倉Note」という)。

note.com

鎌倉Noteを3行でまとめるとこんな感じ。

  • 都会に住むのは便利である
  • 郊外に住むメリットは生活面の豊かさにある
  • 郊外住みの最大のデメリットである通勤時間について、乗り換え回数を減らせばまとまった時間が取れる

私も上記には100% Agree。

その上で、現状の我が家では、1点目の「都会に住むのは便利」というメリットのため都会に住み続ける、という選択をする。

結論:都会の便利さは代えがたい

現状の我が家の認識は以下の通り。

  • 共働き子育て世帯にとっては、通勤時間の短さなど、都会の便利さは代えがたいベネフィットである
    • 金銭的には住居費がかからない方への移行はあとからでもできるので、特に住居費にかける金銭面の事情、または介護など、致命的なデメリットが生じない限り今の暮らしを続ける
  • 100%フルリモートの仕事は面白くないため、この点でも都内に出やすいのはメリット

以下のメリデメを比較して、この先当面の間は都会暮らしのメリットを享受し続けられそう、と判断した。

カテゴリ 項目 都会 郊外
住環境 家の広さ 狭い 広め
土地の値段 高い 安いところもある
必須ではない、カーシェアたくさん 必須なところが多い、マイカー維持費かかる
ご近所付き合い 少なめ、友達が首都圏内に住んでいがち、町内会とかもある 人間関係が生活圏内に閉じがち、限界集落だとインフラ維持が住民の自助に任されているところもある
子育て 教育環境 選択肢が多い、その分金もかかることも多い 選択肢が少ない
自然との触れ合い 少なめ、アクセスも悪め 生活圏内には少ないかもしれないが、自然に対するアクセスは良い
仕事 仕事の選択肢 たくさんある、リモート含むものも多い 地場の仕事はあまりない、フルリモート
給与 高め 低め

[都会のメリット] 通勤距離が短い

子供の教育環境は基本的に自宅の近くで完結する。

鎌倉Noteの方にとってグリーン車通勤1時間が移動する書斎として快適なのはわかるが、子育て世代にとってはその移動時間なしに保育園の送り迎えができるのは圧倒的なメリットだ。何かあったときのお迎え対応もできる。

都会に住んでみて、職場と家がドアドア1時間未満になったことで、子供と関わる時間も仕事の時間も確保でき、精神的な豊かさが上がったのも実感している。

子供に手がかからない年齢になったら、ここは変わってくるかもしれない。ただしそれは数年後の話。

[都会のメリット] 育児負担の分担がしやすい

我が家は今後も共働きで行く予定。これは金銭的な理由だけでなく、お互いの価値観を尊重した結果でもある。

郊外に移って、保育園や学校など子育てが夫婦どちらかの職場から離れたところで行われてしまうと、そうでない方に子育ての負担が極端に偏ることが想定される。

子育てと仕事を夫婦で均等にすることにすることは手段であって目的ではない。しかしあとから覆し難い物理的な格差が生じてしまうのは不公平につながるので、安易に決められない。

[都会のメリット] 公園や自然も意外といっぱいある

都会のメリットが便利さであることは述べたとおり。より具体的には、徒歩圏内に気の利いた飲食店が多数あることとかもある。これは在宅勤務時に幸福度が高まる。

それ以外に、意外と自然も多い。山手線近郊だけでも大規模公園が20個くらいあるし、家の近くの公園も入れたら遊び場所の選択肢は非常に多い。自然とのふれあいという点では、プレーパークや、裏山みたいな公園もある。

郊外には確かに大規模公園が近くにあるが、選択肢が少ないので結局いつも同じ公園、となりがちだ。遊び場所の選択肢という面でも、都会の選択肢の多さはメリットだ。

[都会のメリット] 実はランニングコストも比較的低い

郊外持ち家、特に戸建ての価値が下がりやすいのに比べて、都内の物件の資産価値は下がりにくい。うまくやれば値上がりもありうる。私も実体験として、持ち家を一度売却しているが、購入時の金額と同等で売れた。

また、基本的にマイカーも不要なので、その分のコストもかからない。

首都圏内にお出かけスポットもたくさんあるので、うまくやれば旅行にそんなにお金をかけなくても週末の気分転換はできる。ここは価値観次第でもあるが…。

郊外はすべて上記の逆なので、冷静に、かつ長期で考えると都心部と郊外のランニングコストはとんとんなのでは、と捉えている。

[移住のデメリット] 理想的な郊外・田舎を見つけるのは難しい

家からの眺めが良くて、週末は近くにキャンプに行って、渓流で釣りをして、夜は星を眺めて…

というアウトドア雑誌に出てきそうな住環境は、そもそも探すだけで大変困難である。日本の大体の「住みやすい」郊外には、均質化した風景が広がっている。結果として、買い物も外食もエンタメもイオンで完結する、文化的資本に欠けた地方暮らしが誕生してしまう。実際超便利なんだもん、仕方ないよね。

移住先を探す際には、数年かけて、その土地の四季や生活環境をじっくりと吟味していくプロセスが必要不可欠かと。

[移住のデメリット] 仕事がないし、フルリモートもつまらない

高水準な給与の仕事は、基本的に都心部に集中している。

一方で最近あるのがフルリモートを前提にした地方移住。これは人それぞれの好みの問題だと思いますが、

  • この先も仕事をフルリモート前提でしか選べなくなってしまう
  • フルリモートで完結する仕事は範囲が決まっていて面白みに欠ける

というデメリットがあると捉えている。

逆にフルリモートで完結しない仕事の例としては、

  • 営業やハードウェアに関わる仕事など、何かしらのモノや現場に触れる仕事
  • 管理職や経営層など、ハイコンテクストな議論が要求される仕事

のような要素があると思っている。この先もフルリモートで完結しない仕事というのは残り続けるし、そこにこそ面白みがあると思っている。

もちろん最近は地方でも、地域自体が面白くなり、若者を呼び込んでいるエリアが局所的に出現していることも認識している。この先地方の生存競争の結果、面白い地域と死んでいく地域が明確に別れていくだろうと思っている。そういう生き残った面白いエリアと巡り会い、そこで活躍していくのも充実した生き方だと思う。

おわりに

都会暮らしには、特に便利さ、ランニングコスト、仕事などの各面でメリットがある一方、良き移住を実現するにはじっくり腰を据えて見極める必要がある、ということを書いてきた。

この先は、今の生活を維持できて、稼げる間は都会で稼ぎつつ、気になる地域は時間をかけて見極めていき、何かあった際には動ける準備を進めていく。

去年は長野のある地域に年3回滞在した。「住めるかどうか見極めに行く」という旅のコンセプト、面白いですよ。