おとうのオートノミー

家を建てること、育児のことなど。

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先行配管だけ通して本当にあとからV2H化するのか

太陽光付きの戸建住宅の計画にあたり、PHEV x V2H(プラグインハイブリッド車とVehicle to Home: 車から家に電気を供給する設備)は将来いつか導入したいと考えていた。しかし新居の見積を詰める中で、竣工当初からV2Hを設置する方針に急遽変更した。記録のためにも、心境の変化をまとめた。

※本コンテンツは東京都の助成金に関する内容が多いので、東京都以外の方にはあまり参考にならないかもしれない。

そもそも都内在住で車が必要か

必須かと言われると必須ではない。我が家は以下のマップでも真っ青(全然車いらないゾーン)に位置する。合理的に考えたらカーシェアで良い。

togetter.com

しかし子育て家庭において、車があると行く場所の選択肢が広がり、子連れお出かけ全般のハードルが下がる。隣県の実家への帰省の頻度も上がるでしょう。

ということで、次の家で駐車場が確保でき、車の維持費が下がることを前提に、何らか車を持つことは考えていた。

太陽光付きの家とEV/PHEVの相性の良さ

新居に太陽光を入れることは計画当初から決めていた。そして太陽光付きの家とEV/PHEVは以下の観点で相性が良い。

システム面

太陽光で発電した電力を車に充電して走ることで、車のランニング費を限りなく押さえられる。また車に搭載されている大規模電池を家庭用蓄電池とみなし、車から電力を家に戻す「V2H」を活用することで、耐災害性の向上や、日々の電気代の節約も期待される。

助成金

ランニングコストが下がる一方で、太陽光、V2H、そしてEV/PHEVの導入費用は高い。そこで今、それらの導入に対して国と自治体からかなりの額の助成金が出ている。まさに今、これらの機器が普及してコストが下がるかどうか、というはざまにいる。

あとからV2H導入はしないのでは

当初の計画では、EV/PHEV給電&V2H用の配管だけ家に通しておいて、EV/PHEVの導入は後から時期を見て行う方向で考えていた。理由としては、後述する通り現段階ではガソリン車のほうがトータルで見たときにコストを安く押さえられること、割と黎明期だと認識している現状のV2H方式が今後どれだけ変化するか予測できないこと、などがある。

しかし、あとからV2H化するのは、自動車の買い替え費も加味すると数百万円の出費になる。おそらくガソリン車にも慣れちゃっており、これはこれで結構難しい決断になる。

今なら助成金もたくさん出るし、高額出費は家を建てるタイミングに全てまとめてしまったほうが心理的にも楽なのではないか、と考え、新居の竣工時点からPHEVとV2Hを揃えることにした。

EVは時期尚早・PHEVはバランスよし

EVはまだ全国的なインフラも十分整っているとは言えない。お出かけ先が充電スポットに制約されるのも計画立てづらい。そして助成金が出たとてEVはまだ高い。うちのお財布では軽EV(日産サクラ/三菱ekクロスEV)しか手が出ない。しかし軽自動車は家族でのお出かけにやや心もとない。

PHEVはこの点、ガソリンエンジンも載っているのでお出かけに対してドラスティックに考え方を変えなくて良い。走り心地や燃費の面でも、モーター走行とV2Hのいいとこ取りができる。予算的にも、助成金も加味して探せば手が届く範疇の車が1車種だけあり、これが結構カッコよかったのでこの方針で行こうとなった。

現時点で合理的に考えたらガソリン車が強い

とはいえPHEVも以下3点の理由で現時点でガソリン車に劣る。

購入費の安さ

助成金をもらったとて、PHEV/EVは初期費用が高い。ガソリン車とハイブリッド車がラインナップされている車種で、相当な距離を走らない限りライフサイクル全体のコストパフォーマンスでハイブリッド車がガソリン車に勝ることはない。同様に、いくら自宅の太陽光から充電できたとて、太陽光などの設備導入費を加味するとEV/PHEVの導入費の元は取れない。

EV/PHEVのリセールバリューの弱さ

リセールバリューは様々な要素によって左右されるが、大容量バッテリーを積んでいるEV/PHEVのバッテリーの劣化がバリューの弱さにつながる模様。印象的に、仮に同クラスのガソリン車の5年後リセールバリューが60-70%なのに対し、PHEVであれば30-50%とかになる印象。

EV/PHEVは本当にエコなのか

開発コスト・廃棄コストまで考慮に入れたときに、ガソリン車に対してEV/PHEVが本当にエコなのか、と問われると私は判断つかない。

まとめ:防災性と先進的なシステムを楽しむ

2024年の現時点で、PHEVとV2Hを導入するというのは、決して経済的に合理的な選択ではなく、あくまで考え方として耐災害性に重きを置いたり、PHEVのモーターの加速感を好んで導入する、ということ。

(じゃあPHEVの20kWh弱の電力で救われる災害のシーンってなんだ、と言われると、これも確たる事は言えない。梅雨で自家太陽光発電できない時期に大規模停電を伴う災害に見舞われたときとかかなぁ)

補足:東京都における関連の助成金

東京都はいわゆるゼロエミ関係の助成金が豊富な方だと思う。どれもクールネット東京こ東京都地球温暖化防止活動推進センターが運営している。いずれも年度単位の助成金であり、年度ごとの予算上限がある点に注意。

また、以下に記載した全ての助成金をフル活用するには、助成金間に絶妙な依存関係があるため、以下の順で各機器の導入や助成金の申請を進める必要がある。

V2H抜き・太陽光付きの家の竣工
 ↓
PHEV車の納車 → ※①PHEV助成金申請
 ↓
V2H機器の設置 → ※②V2H助成金申請

※①PHEV車購入の助成金申請の前に太陽光付きの家ができていることが必要(参照先:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「令和5年度 ZEVの車両購入補助金(各メーカーの上乗せ補助額)のお知らせ」

※②V2H機器の助成のためにはPHEV車の登録場所がV2H設置場所と同じであることが必要(参照先:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「【令和5年度】戸建住宅におけるV2H普及促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」

東京ゼロエミ住宅

高気密・高断熱の高性能住宅を対象に、①建物自体、②太陽光機器、③蓄電池、④V2Hのそれぞれについて助成金が出る仕組み。

クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「令和5年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業」

PHEV・EV購入助成

PHEVなら、国から最大から55万円、東京都から最大70万円、合計125万円が支給される。この助成金は国も都もある程度助成金に余裕がある感じ。

国:R4年度補正・R5年度CEV補助金のご案内_CEV補助金_CEVの補助金交付を行う次世代自動車振興センター

東京都:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「FCV・EV・PHEV車両(燃料電池自動車等の普及促進事業・電気自動車等の普及促進事業)」

V2H機器

国から一定金額、都からは、自宅に2kW以上の太陽光設備がある場合は100万円を上限として、それぞれ助成金が出る。ただしこの国の助成金は毎年早々に予算切れになっている印象。

国:令和4年度補正・令和5年度補助金(V2H充放電設備)_一般社団法人次世代自動車振興センター

東京都:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「【令和5年度】戸建住宅におけるV2H普及促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」