この記事では「オール電化 × 太陽光の家に乾太くんを入れるか問題」を取り上げます。
オール電化住宅において、ガスを使う乾太くんはシステム的に相性が悪いです。一方で乾太くんは、共働き家庭で必ず導入を検討するアイテムです。今後、太陽光を始めとしたゼロエミ系への補助金を始め、オール電化住宅は増えると思われるので、同じ悩みを抱える方は意外と多いのではないかと思います。
私はこの問題に、新居となる注文住宅の基本設計の終盤、初回見積もりの減額調整の段階で直面しました。悩んだことを整理します。
- 【悩み1】乾太くんのためだけにガス工事をするか
- 【悩み2】乾太くんのためだけにガス料金を払うか
- 電気乾燥機に比べた乾太くんのメリットは2点だけ
- その他マイナーなポイント
- 乾太くん愛コメントは多い
- 結局どうするのが良いか
【悩み1】乾太くんのためだけにガス工事をするか
オール電化住宅、つまりキッチンはIHコンロ、湯沸かしはエコキュートを使うような家では、ガスを使いません。すなわちガス管を引きません。
しかし乾太くんだけは別です。オール電化住宅に乾太くんを導入する場合、このためだけにお金をかけてガス工事をするか、という悩みが生じます。我が家の場合、ガス工事代金は20万円強でした。
【悩み2】乾太くんのためだけにガス料金を払うか
太陽光発電と蓄電池を伴うオール電化住宅は、上手く自家消費すれば電気代を限りなく低く抑えられます。一方で、乾太くんに使うガスはガス会社から購入する必要があります。
一般的に、乾太くんにかかるガス代は稼働時間 [分] × 1円と言われています(都市ガスの場合)。1回あたりの乾燥時間が60分、毎日乾燥したとすると、1ヶ月で1,800円。また、乾太くんが消費するガス量は1ヶ月で〜20m^3なので、我が家が契約しているガス会社の基本料だと800円/月。
つまり月間2,600円、年間31,200円の乾太くんサブスク料を払うのか、という悩みが生じます。
(参考文献)
ガス衣類乾燥機のコストについて解説|ガス衣類乾燥機の取替・交換工事なら住設ドットコム
電気乾燥機に比べた乾太くんのメリットは2点だけ
20万円強の初期投資(機器代別)と、年間3万円強のランニングコストをかけて導入する乾太くん。オール電化住宅における対抗馬は電気式衣類乾燥機になります。
例としてパナソニックのNH-D605。この子は乾太くんとほぼ同じことができるのに、プラスアルファの初期投資もランニングコストも発生しません。
(なおここではドラム式の洗濯乾燥機は触れません。経験上、ドラム式は数年で乾燥機能が劣化するので、縦型の洗濯機と独立した乾燥機を考えています。)
乾太くんに対する信仰心をかなぐり捨てて、冷静に両者の差を見極めると、以下の2点に集約されます。
乾燥時間が3時間→1時間に短縮される
同じ乾燥容量6kgで比較した場合、電気式衣類乾燥機が3時間強かかるのに対し、乾太くんは1時間で仕上げます。洗濯・乾燥は毎日するとして、この2時間/日(回)の時短にどれだけの投資をするか、という判断になります。
室内への排熱が少ない
使い勝手面の最大の差は、両者の排熱方法の差にあります。
乾太くんは、設置時に専用の排気口を設け、乾燥時に発生した熱は屋外に出します。そのため乾燥時も設置場所は快適です。
一方で電気式の衣類乾燥機は、そのまま屋内に排熱します。経験者いわく「浴室衣類乾燥機をかけた、ムワッとした浴室の感じ」になるそうです。
この、乾燥時の設置場所の快適さも差になります。
なお電気式を擁護すると、電気式も湿気は内部で凝結させ、排水ホースを伝って逃がすようにしているので、湿気はそこまで出ないと思われます。仕組み上は通常のドラム式洗濯乾燥機と同様です。
その他マイナーなポイント
6kgより大きな乾燥容量があるのは乾太くんだけ
見逃せない差として、絶対的な乾燥容量の差があります。電気式にはなくて唯一乾太くんにのみ、9kgの衣類を乾燥できるモデルがあります。
電気式衣類乾燥機の方が機器代が安い
先述した9kgの乾太くんは、現在最安値が約14万円。
一方でパナの電気式乾燥機は、約8万円。
両者の間には6万円の価格差があります。先述したガス工事費と合わせると、乾太くん導入にかかるコスト増は、ざっくり30万円弱になるかと。
乾太くん愛コメントは多い
SNSで知人にこの件を相談したところ、乾太くん愛コメントが多く寄せられました。
結局どうするのが良いか
一般的に言って、乾太くんを導入できるのであればそれに越したことはありません。
しかしオール電化 × 太陽光住宅においては、初期投資(30万円弱の増加)&ランニングコスト(年間3万円強)に対する見極めが必要になります。ざっくりまとめると以下の費用対効果をどう判断するか、だと思います。
乾太くんが向いている人
- 時短のためには投資を惜しまない人
- 子供が服を汚すなどして毎日複数回の乾燥をする人
- 一度に大容量を乾燥したい人
電気式で良い人
- 夜間に乾燥するなど、1回3時間強の乾燥時間をマネジメントできる人
- オール電化 × 太陽光のシステム的な美しさを大事にする人
- コストを抑えたい人
ちなみに我が家は迷った挙げ句乾太くん導入することにしました!時短に賭けます。