年度末といえば、保育園父母会役員の交代の時期ですね。どの園でも、クラスごとにあみだくじか何かで役員の貧乏くじを引いていることが目に浮かびます。
この記事では、会長として父母会活動を大幅に縮小した記録を残します。
BEFORE/AFTER
変革の経緯
会長になった
父母会を潰すために、まず会長に立候補しました。無駄な役割の削減も目的だったので、年度初めの役員決めの場に、役員数の削減を含む提案書を印刷して持ち込み場をザワつかせました。
結果として年度初めの集まりでは何の決着も得られなかったものの、年度間の役員の引き継ぎを通じて父母会内の役割ごとの課題も明確になりました。
意思決定…全会一致は不可能なので材料を集める
会社と異なり、父母会とはいわゆる互助会的組織であり、組織としての明確な目的がありません。会社であれば売上・利益の最大化という大義名分に沿った意思決定ができますが、父母会には父母の数だけ正義と思惑が存在します。そのため全員の合意を得ることは不可能です。後述する通り、どこにも一定数反発する人はいます。
また、父母会がそこにある以上、「父母会を縮小・解散する」という意思決定が過去になされたことはありません。という背景を加味すると、縮小を提案された役員にとっても「我々だけで意思決定できない」とか「意思決定基準がわからない」という声が出てくるのは当たり前かもしれません。
そのため、父母会の縮小・解散提案の際には、提案者が役員だけでなく全父母や園を巻き込んだ意思決定をリードしていく必要があります。基本的に他の父母と顔を合わせて話をすることはないため(そんな暇があったら共働きしてない)、この意思決定がかなりタフです。
意思決定基準を決める
具体的には、まず意思決定の基準を決めます。会則に明記されていれば良いし、そうでなければ意思決定しやすいように決めます。オンライン投票などで役員の過半数が合意する、ただし欠席者は棄権とみなす、あたりが妥当かと。
園側と合意して外堀を埋める
どのような経緯で父母会が存在しているにせよ、方針変更に際して園との事前合意は必要です。理由は、これまで存在してた園と父母会間の役割分担を調整することの他に、父母側に縮小案を提案する際に「園も合意してます」というのは大きな説得材料になるからです。
我々の場合には、園に相談したところ、先生たちからも「実は父母会関連業務(写真配布など)が重荷だった」という意見を早々に引き出せたことが調整の上で大きかったです。
父母全体へのアンケート
役員だけでは父母会の縮小・廃止の意思決定ができない(それはそれで何のために代議制である役員やってるのかって話ではありますが)という話になったため、父母全体にGoogle Formでアンケート回しました。これが意思決定に直結はしなかったものの、大いなる説得材料になりました。
一定の反発は避けられない
上記アンケート結果を見ても分かる通り、一定の現状維持派はいます。主たる理由は自分の子供に対する利益が損なわれることを懸念したものです。
具体的な反発の例として、父母会から子供に渡していたプレゼントの廃止に対するものがありました。予算的にも一人数百円なので、率直に言って渡した1週間後にプラスチックごみになるものしか渡せないのですが、それでも我が子の代から廃止するとなるとムキーッとなる親がいました。
だったらあなたが毎年役員やってよね、と思いつつ、前述した通り父母会は互助会的組織なので、なるべく丁寧な説明をしつつも完全なる全会一致はできないものと割り切って進めるしかありません。
父母会の運営方針に対する絶対的な基準がない以上、方針変更を進めるためには役員が同意できる材料を提示してあげることが必要かと思います。我々の場合には、上記に挙げた「園側との同意」「父母全体のアンケート結果(大半の同意)」が大きな材料になりました。
夫婦の協力が必要
父母会への働きかけは、通常の仕事以上にタフです。
- 統一した目的がないこと
- 交渉相手でもある他の父母の顔や本音が見えないこと
辺りがその理由です。
今回は育休中の妻とともに乗り切りましたが、よほど慣れてる方で無い限り、夫婦で負担というかストレスを分散できる体制が必須だと思います。
まとめ
父母会の解散には持ち込めなかったものの、可能な限りで縮小&DXを進められたことには達成感しかありません。一生分の政治力を使いました。もうやりたくありません。
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