いつからフォローしたか忘れるくらい前から読んでいる、たぱぞうさんの開催するオフ会的イベントに参加してきました。リアルイベント、やはり刺激が多くて楽しいです。
自己紹介が「新NISAで投資しているポートフォリオ」で始まるかなりコアな会で、参加者のリテラシーも素晴らしく、どの方面に話を振っても想定以上の答えが返ってくる唯一無二の場でした。
今後参加を検討される方のために、どんな内容だったかと、それを受けてどう感じたか、という順で書きます。
私の参加モチベーション
ぼんやりと以下を期待して参加しました。
結論としては大いに参考になる情報が得られました。以下、内容や会場の雰囲気など。
NISAをめぐる参加者セッション
積立NISAと成長枠のそれぞれでの理想のポートフォリオとは、というテーマで参加者でグループディスカッションし、それぞれに対してたぱぞうさんからコメントが入る、という流れでした。
まさにこの中でS&P500以外の銘柄が色々と出てきました。以下、個人的にリスク取ってると思う順に並べます。
- FANG+:米国ネット大手企業中心に10社ほどのインデックスファンド
- SOX:半導体のインデックス
- QQQまたはNASDAQ100:米国テック企業100社のインデックス。かつてITバブルの崩壊があったように、歴史的に値動きが比較的大きい。
- S&P500はこの次くらいにくる
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HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF):米国の幅広い業界から高配当株を集めたファンド。組成されている業界のうち割合の大きい順にヘルスケア、エネルギー、生活必需品、となっている。
以下は投資対象というより参考になるかもしれないインデックス的存在として登場。
- MO(アルトリア・グループ):JTのアメリカ版的存在。高配当だがキャピタルとしての伸びはない。
- WPM(ウィートン・プレシャス・メタルズ):資源の指標となりうるカナダの大手資源会社
- BND:ヴァンガードの債権商品
後半の講演の中で出てきますが、インデックス投資が楽だとはいえ、たぱぞうさんは300銘柄くらいの個別株ポートフォリオも追って選球眼を養っているとのことでした。自分ならいくらに値付けするか考え、それと実際の価格差を見比べることでかなりきたえられるとのこと。
また、会のタイトルもあるのか、先進国 vs 米国という話題にはほとんどなりませんでした。みんなS&P500一択、という感じ。
たぱぞうさんの講演
ペーパーアセットから資産管理会社まで、かなり幅広く、かつ興味深い話題に富んでました。以下、私が要点と思った項目の抽出です。
投資商品選びのポイント5点
- 価値の上昇
- キャピタルゲインが得られるか
- 価値の維持
- インカムゲインが得られるか
- インフレ負けしないか
- 「通貨は減価する」という至言を何度か使われてました。日本国内だけで暮らしていると実感しにくいが、それでも例えば自動車価格はサプライチェーンがグローバルに広がっている影響もあり確実に値上がりしてきた、と。
- バランスとリターン
- 人生のフェーズ、投資目的、投資規模に応じて意識的に取るリスクは変わる。
- ストーリー
- なんとなく投資をするのではなく理由を考え、自分に対して納得感を得られるか。具体例として、今後の為替レートが円安基調かどうか、に自分なりのスタンスを持つことで、投資先が国内がどうか、に根拠が出てくる。
資産を増やすための着眼点
以下の掛け合わせ。
- 他人の資産を使うこと(借り入れを伴うハードアセット投資を指しているものと捉えました)
- 海外に目を向けること
- バリュー性(割安かどうか)
- 将来性
具体例として、米国インデックスファンドのメリットは、海外の成長を使いつつ、そのバリューをEPSで測りやすい、という話も出てきました。
投資におけるコアとサテライト
会の参加者の皆さんも当たり前のように使われていた概念。その名の通り、投資の中心となる銘柄と分散としての銘柄をどのように考えるか、ということ。何気ない概念ですが、それでもこれを言語化してるだけで考え方が伝わりやすいなと思いました。
それ以外に法人化とハードアセットについてもかなり具体的に触れられてました。が、ここは私があまり詳しくないので割愛します。
感想
ペーパーアセット投資ではキャピタルゲイン派が多数
これは会場の皆さんの意見から受けた印象ですが、ペーパーアセットのみの投資においてはインカムゲイン(配当所得)派はほとんどおらず、キャピタルゲイン(投資対象自体の値上がり)重視の人が多数の印象でした。この理由として、インカムゲイン目的で購入した銘柄が値上がりしなかった、という声が多かったように思います。
これはFIREを意識した際に気になる議論です。FIRE後に何らか資産を取り崩す事を考えた際、配当重視にしておけば放っておいても配当が現金として入ってくる(取り崩しに対する心理的ハードルの回避ができる)のに対し、キャピタル重視ではポートフォリオから少しずつ取り崩す必要があり、ここに心理的ハードルがあるからです。
これら諸々を考慮した上でも、投資対象は管理が楽でキャピタルゲインが期待されるS&P500に寄せ、その上で取り崩しはルール化する、という方が多かったです。
NISAポートフォリオ組み直しのきっかけになった
リアルイベントの良さは、話題の対象に自分の思考を集中できることにあります。普段投資ポートフォリオを考えるのが面倒なのでS&P500とオルカンの適当な組み合わせでポートフォリオ組んでましたが、今日の場をきっかけに早速自身のNISA銘柄を見直しました。あと夫婦の間でも、「家族全体のコアがどこでサテライトがどこか」という観点でポートフォリオ見直そうと思います。
周りを豊かにすることが自身を精神的に、そして金銭的にも豊かにする
たぱぞうさんのあり方自体から学ぶところは大きかったです。
詳細は書ききれないのであえて端的に書くと、ご自身のブログを会社の後輩に「これお前のためになるから読んで」と勧めたあたりからブログが注目を集めはじめたこと。おそらく採算度外視で周囲の豊かさのために始めた場が、有益な情報を伴うオンラインフォーラムに発展したことなど。
参加者の皆さんとも「なぜ投資をするのか」に踏み込んだ会話もでき、忖度や気遣いなしで「豊かさ」について語れる場は貴重でした。