仕事内の真面目な雑談として、タスク管理について話すことになったのでまとめてみる。すべて私の持論です。
タスクとプロジェクトの違い
プロジェクトは複数のタスクからなる。タスクはこれ以上不可分な仕事の粒度である。プロジェクトは複数人で分担して進行するが、タスクは個人で行う。
タスクに必要な要素
大きく4つほどの要素からなると考える。
不可分であること
例えば「調査する」「考察をまとめる」「提案書を作成する」は全て別タスクとした方がわかりやすい。
期限があること
明確な期限があること。期限がないものに対しては自分で決める。期限のないタスクはやらなくてよい。
重要度があること
常にタスクは重要度の高いものから着手する。これができるよう、タスク間の優先度が可視化されることが管理上望ましい。
成果物が言語化されていること
基本的にすべてのタスクには明確な成果物がある。「調査する」というタスクには「調査結果」という書き物がある。「相談する」というタスクには「相談した結果決まった方向性」がある
タスク管理に必要なこと
タスクを見つけられる
チャットやメールにやることが埋もれてしまったら「タスクを見つける」というタスクが発生して効率が悪い。やることリストはどこか見つけやすい場所に書き物として残されていること。
着手する順を認識できる
最も効率の良いタスク処理の方法は、重要度(優先度)順に着手すること。仮にその日予定していたタスクがすべて時間的に終わらなかったとしても、その日最も優先度の高いタスクには着手できたのだから、最も生産性が高かったと言える。
タスク管理におけるよくある間違い
想定した時間内で終わると思っている
「このタスクは1時間くらいだろう」という想定で始めたタスクに着手して、気づいたら3時間経っていることはままある話である。機械的に「10時から12時までタスクA、13時からタスクB」という風に予定を組んでいると、タスクAが12時に終わらなかった瞬間に「タスクとスケジュールの調整」という新たなタスクが発生する。
必要なのは①タスクを処理する時間を確保した上で、②優先度の高いタスクから順に取り組むことである。ポイントは、①で時間を確保する際、極めて悲観的に時間を確保すること。
脳内だけで管理している
今どき書き物に頼らずにタスク管理している人はいないと思うが、例えばタスク管理している場所が手書きのノートやメールなどに散逸している場合もほぼ同様である。処理すべきタスクは、すぐに見つけられるどこか一箇所に記載されていること。
「相談する」がタスク内にある
例えば「Aさんに相談してからBさんにメール返信する」というタスクは、「Aさんに相談する」「Bさんにメール返信する」という2つのタスクに分解可能であることから、改善の余地がある。分解することにより「Aさんへの相談をCさんに任せよう」という判断も可能になる。ただしタスク内のサブタスクとして明確に認識している場合は良い。
タスク管理の具体的テクニック
以降は私のごく個人的なタスク管理テクニック。
カレンダーの活用
私が仕事で最も活用しているタスク管理ツールはメーラー付属のカレンダーである。カレンダーは、これまで述べてきたタスク管理に必要な以下の要素をすべて含んだアプリである。
- タスクを処理する時間を確保する
- あらかじめ作業時間をカレンダー上でブロックしておくことができる
- 打ち合わせ後に議事の展開などのタスクが予見される場合は、可能な限りあらかじめ時間を確保しておく
- タスクの優先度を明記できる
- カレンダー上の予定の詳細に、その時間で処理したいタスクを優先度順(着手順)に箇条書きしておく
- 終わらなかったタスクは次の作業時間にコピペする
チャットツールの活用
同僚から作業を依頼されたチャットは、あえて未読に残す、というのも私がよく使っているテクニックである。それ以外のどうでも良い通知は可能な限りすべて既読にすることで、残っている未読だけが対応必要なものだと識別することができる。
カンバンツールの活用
Microsoft Teams付属のPlannerや、Trello、Jiraなど、高級なタスク管理ツールは様々ある。これらはプロジェクトレベルのタスク管理には有効だが、個人タスクの管理にはややリッチすぎる気がする。
プライベートで使っているタスク管理ツールは、GoogleのTodoリストだ。単にTodoを順に並べるだけというシンプル構成。マルチデバイス対象なのも備忘録作成にちょうどよい。
おまけ:タスク管理に有効な本